小話 夕立屋

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 先ぶれの一粒が来て 大夕立    高橋悦男

 毎日暑くて、暑い、暑いと日に何度言いますかね。しかし明日、8日は立秋ですが暑さはまだまだ続くと思うとうんざりします。こんな時に暑さを吹き飛ばす特効薬はないかと考えたくなりますね。
 私ら子供のころには、午後になるとよく夕立がありました。山の雷は音が大きくて怖かったのを覚えています。兄弟で、蚊帳を吊って入って「くわばら、くわばら」と雷の通り過ぎるのを待っていたものです。近頃は夕立も余りく来なくなったように感じます。

 ある大店(おおだな)の旦那が、こんな暑い日には夕立の一降りでも来たら涼しくなるのに、夕立は来ないか、夕立が欲しいと言っていたら、「夕立屋・・・。夕立屋・・・。」と売り声が聞こえて来たので呼んで聞いてみると「一両で夕立を降らせる」と言う。頼んで夕立を降らせてもらったらものすごく涼しくなった。「ところで、夕立屋さん、おまえさんは夏こんなに涼しくして呉れるのなら、今度は冬に来て暖かくしてくれないか?」「旦那さん、実は私 南に住む竜(たつ)でございまして、夏専門でございます。冬のことはセガレのこたつがいたします」

 昔、聞いた小話です。聞いたことがある方もおられると思いますが、夏になるといつもこの小話を思い出します。近頃は、ゲリラ雷雨があちこちに発生します。南の竜に「喝!」を入れましょう。この夏、ゲリラ雷雨ではなく普通(?)の夕立の一降りが欲しいのですね。

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